葬祭

葬儀への関心が高まっていますが?

亡くなってからバタバタしているときに説明を受けて、「もうちょっと決め方があったかもしれないけど仕方なかった。」とならないように、事前に知識を得て、後悔の無いお葬式をしていただきたいと思います。

■アドバイザー:広島セレモニー 代表取締役社長 塩田 ひとしさん

葬儀は取り返しがつかないからこそ重要。

それだけ葬儀は大切なものだということでしょう。生まれたときは、少々まわりが失敗しても本人が大きくなれば取り返しがつきます。「生まれたときにあなたは非常につまらない誕生日会をしたよね。」などと言われたとしても、自分が出世すればそれは払拭される訳です。しかし本人が亡くなっている葬儀での失敗はもう取り返しがつきません。だからこそ大切なのです。どんなに立派な方でも葬儀でぞんざいな扱いをされたらたまらないですよね。発注した後では、遺族ももうどうしようもない。そういうこともあって葬儀に対する関心が高まっていると思います。

各社を比較して自分で選択するということが必要。

それから昨今、葬儀場が多く建設されて、一目に触れるようになってくるにつれ、葬儀ビジネス自体が社会的に認知されてきたような気がします。いろいろな葬儀に列席されるうちに、興味を引くようなサービスのレベルになって来たということかもしれません。昔だと近所で助け合って葬儀を行っていたので、その地域に住んでいる人はみんな同じ葬送のされ方をしていました。その頃は良いとか悪いと言った認識は無かったと思います。今は業者も葬儀というものをサービス業として捉えていて競争もありますから、商品としての葬儀というものが出来上がっています。そうするとサービスが多様化してくるので、各社を比較して自分で選択するということが必要になってきます。そのような背景があって一般の人の葬儀に対する関心が高まっているということではないでしょうか。

これからの葬儀ビジネス。

今後、どんどん新しいスタイルの葬儀社が参入することによってお互い競い合って業界が徐々にフラットになっていくと思います。葬儀場が沢山出来ていますが、これは良いことだと思います。人生には波がありますから、生まれた時は裕福でも、一番貧乏なときに亡くなってしまう方もいらっしゃいます。そうすると、亡くなった時に住んでいたところで葬儀するわけです。人生の途中では優勢を誇った時代もあったけど、なんだかんだあって亡くなった時は貧しかったりとすると、そこだけの切り口でその人の人生を見てしまいます。私は、それは不公平というかかわいそうだなとずっと思っていました。その家のぼろを隠しながら会場を作る訳ですけど、参列される人は分かりますよね。葬儀会館で葬儀を行なうと貧富の差が見えなくなるのでそういう意味では良いと思います。西洋では結婚式も葬送も教会で行ないますが、それと同じような感覚になってきたということだと思います。

取材協力:広島セレモニー