お墓・霊園

石材の種類について教えてください。

墓石には硬くて風化に強い花崗岩が最も多く使われています。大きく分けると国内産と外国産があり、国内産は四国や中国地方の産地のものが広島では主に用いられています。外国産は中国をはじめ世界各地から輸入されています。

■アドバイザー:有限会社お墓の日光 代表取締役社長 前田 哲弥さん

石材の種類

 墓石材のことを御影石とよく言いますが、御影石というのは通称で、主に花崗岩のことを指しています。その花崗岩の産地によって石材の呼び方が異なります。産地は大きく分けて国内産と海外産があります。国内産の場合、広島においてはほぼ大半は愛媛県の伊予の大島石です。その他では、香川県の庵治石、同じく香川県丸亀市の青木石、といった石材が広島から近いということで流通しています。日本各地でいろいろな石が取れるのですが、関東から以北は遠いのであまり使うことがありません。あとは岡山県の北木石(きたぎいし)万成石(まんなりいし)山口県の徳山石などが使われます。

 海外産については中国・インド・南アフリカ・ポルトガル・北アメリカ・ウルグアイなど様々な地域から入って来ます。しかし全体のシェアの7〜8割は中国から輸入されています。これは地理的に近いからです。海上輸送する際に燃料費を考えると近い方がコストが安く済みます。それから中国は国土が大きいので、色々なところで様々な石が採れます。経済的な理由と多種多様な石が採れると言うことで中国産が多く流通しています。

 石の物性は当然ながらそれぞれ異なります。採取する山によっても違いますし、同じ採石場の石でもバラツキがあります。自然のものなので、良いものが採れる時もあれば悪い時もあります。ですから一概に日本のものが良いとか、外国のものが悪いというのは間違った認識です。

 中国産というと、最近の輸入食料品問題のイメージから敬遠される方がいらっしゃいます。しかし石というのは基本的には天然素材で加工するものではありません。加工の良し悪しではなくて、原材料、天然素材の良し悪しですから、国内産が良い、外国産だから悪いと言うことは一切ありません。

取材協力・写真提供:お墓の日光